極楽とんぼのヤゴ日記

我が実家の家族の一員

ラブラドールの「ラン」は、

10年前に亡くなった父の置き形見。


父は「秋田犬のアカ(茶色)のメスが賢い」という都市伝説に近い？

(ごめんなさい)情報の元、歴代秋田犬を飼い、

私の記憶の中では、食事中に頭を撫でようとして、牙をむかれたムツ

方向感覚が無く、ふらりと家を出たまま１～２ヶ月も帰って来れず、

小学校近くで発見して連れて帰ったら、数ヵ月後、

数匹の子犬を産んだクス

途中、ボクサーという美しい体系の中型犬に浮気をした事もあったが

ずっと、大型犬ばかり飼って来た。


そして、父は亡くなる数ヶ月前に、

盲導犬になれる程、音無しくて賢いラブラドールを飼い始めた。


彼女は、父の言う事しかきかず、

父亡き後、朝晩の散歩は、母の日課に。


家の者には吠え、知らない人が来ても音無しい彼女は、番犬にならず。


小柄な母は、急発進や急停車するランに引きずり回され、

生傷が絶えず、有る時は両膝を激しくケガして、歩くのも困難に


「ドッグトレーニング」して貰ったら？

口は出せても、お金を出せない私の意見は、あえなく却下


里帰りした私に、悲哀に満ちた、哀願するような瞳を向け

すぐに飛びつくので、大きな犬小屋の檻越しで、時々遊んでやった。


母は、雨の日も風の日も、猛暑の日も、雪の日も、

朝晩の散歩は欠かさなかった。


食事の量も、時間も、運動も管理していたのに、

有る日突然、彼女は、急激に太りだした


数年前から、見事なメタボ犬と化した彼女は、

相変わらず、母を引きずり回し続け


「どうしてこんなに太り続けるのか、おかしい」


と、思い続けていた有る日、原因発見


お隣のお孫チャン達が、毎日の様に、檻越しにオヤツを

たらふく食べさせてくれてた


無邪気な彼らに、何も言えなくて、ダイエットも効果無いまま

ランは、のんびりマイペースで、お気楽な毎日を過ごしてる様に見えた。



だが、最近、彼女の体に異変が

口の横や、胸元、足にコブが出来、みるみる大きくなって行った。

彼女はガンで、全身のリンパ節に転移してるという事。


一昨日のドクターの往診では、

「患部が破れ、膿も出てるので、よく持って後２～３週間です。

食欲も無く、苦しそうにしてますので、ご家族の方と話し合って

楽にさせてあげる道を、検討して下さい。」



大型犬でも、ラブラドールには、この病気が少なくない事。

命有るものは、いつか寿命が来る事。



たった10年だったけど、父の置き形見の彼女の命。

彼女に言葉が発せるなら、一体、何を言いたいだろう？



夫の両親と父を、彼女と同じ病気で亡くした

やはり、迫りくる別れの時を想うと、激しく胸が痛む・・・



ただ「ありがとね」って、伝えたい。